【3月29日】夢
夢を見た
松岡という女の子と僕(伊藤)の青春冒険物語
―――――――――――――――――――――――――――――
火付山の麓にある学校。
そこでは、山神の存在が信じられていた。
色々な行事があった。
疑問に思った僕は山に行って山神が本当にいるかどうか確かめようとした。
クラスメイトの松岡も一緒に。
「山神のために時間使うの勿体なくないすか」
ついに僕はクラスの皆の前で先生に言った。
一瞬静かになる室内。
誰かが言った。
「本当にいるなら母はあんな死に方しなかったと思う」
次々と山神批判が飛び交うクラス内。
しかしなぜか松岡は黙ったままだった。
廊下中に批判メッセージを貼り付けていく反山神メンバ。クラス内には中立メンバや、山神擁護メンバもいた。
一応松岡も外に出て貼り紙を作っていた。
作っている時は他のクラスメイトと楽しそうに話をしているようだった。
だが、次の日から松岡は学校に来なくなった。
なぜ松岡は急に意見を変えてしまったのか。
僕に何かダメなところがあったのか。
可能性。
「家族が山神信者だから、批判するようなことを言って怒られたのではないか」
「実は一緒に山に行ったとき、松岡は山神を見てしまったのではないか」
「好きな男の子が山神信者であったことがわかったから」
―――――――――――――――――――――――――――――
夢を創ったのは僕なのに、結局女の子に振られた理由がよくわからないまま目が覚める。
夢を整理してみるとよくわかった。
とても楽しかったように見えていた二人の関係が、実は幻だったのだと知ったときの絶望感。目の前から消えてしまった理由がわからない無力感。
僕はそれを一度経験している(いや細かいのも含めるともっとあるのだろう)。
そして、今ナンパで知り合った人ともいずれはこんなふうに別れるのだろう。
アドラーに「トラウマを否定しろ」と言われた翌日にこんな夢を見て、しかも過去の経験を振り返り、未来への不安を駆り立てていく僕。
僕の中で、「トラウマを抱えている僕」というアイデンティティーが攻撃を受けていることに気付き、無意識のうちに自分自身に防御反応を起こしているのだろうか。
僕のアイデンティティーは相当いじわるみたいだ。